三井住友・あいおい・ニッセイ同和の合併

 まったくの驚き、この3社が経営統合を目指しているという。規模で日本一を目指すということだが、それぞれ背景も文化も異なる3社、前途多難が予想される。
 もともと3社とも2001年に合併してできた保険会社だ。三井住友海上は、その名の通り三井海上住友海上が合併した。あいおいは、大東京火災と千代田火災が合併、ニッセイ同和は同和火災とニッセイ損保が合併した。今度合併が成功すれば、以前の6社の連合体となる。
 3社の合併は困難が予想されるが、合併しかないやむを得ない事情もあった。損保業界への風当たりはここ数年厳しかった。保険金の支払いもれ、保険料の取りすぎなどは問題となり、追加保険金の支払いや保険料の返還を求められた。さらにコンプライアンス重視の行政指導の下、契約プロセスは複雑となり、保険金支払いに関しても厳正化を求められた。損害保険がより手間とコストが掛かる仕組みになってきた。その結果として、保険会社が規模のメリットを追求しなければならなくなったものと思われる。
 しかしこの流れは歓迎すべきことなのだろうか?
 保険会社の数が減って競争がなくなると果たして契約者にとって利益なのかは疑問である。特にこの3社は、自動車保険や火災保険の分野で安価で特色のある商品を提供してきた。3社が合併すると、特色ある商品やサービスが提供されなくなる心配がある。再編により保険会社の体力は強化されるが、保険商品の開発力や引受の柔軟性は、逆に失われるように思われる。
 とにかく、今後を注視していきたい。

 ゴルフ保険 海外保険